最近、蓄電および全固体電池という二つの新エネルギー分野において、政策面・産業面での推進が相次いでおり、市場の期待も一段と高まっています。
一、蓄電
9月27日、CCTV財経チャンネルが特集番組「蓄電セル需要が旺盛」と題して報道しました。

報道によると、現在中国国内の蓄電セル需要は非常に強く、主要電池メーカーの工場はすでにフル稼働状態にあり、一部の注文は翌年初頭まで埋まっているとのことです。
専門機関の分析では、蓄電は現在、新エネルギー分野の中でも最も成長速度が速いセグメントの一つであり、太陽光発電企業にとって新たな成長曲線を描く重要な要素になっています。
太陽光発電と比べて、蓄電は電力網や風力を活用し、電力の変動を平滑化し、ピークシフトや周波数調整を行うことができます。簡単に言えば「電力を蓄えて需要と供給のズレを埋める」仕組みであり、その経済性が際立っています。
2025年8月の最新データによると、蓄電システムおよびEPC(設計・調達・建設)案件の入札・調達量は69.4GWhに達し、単月として過去最高を更新しました。これは蓄電分野の強い需要と高成長性を裏付けるものです。
さらに、AI計算設備やデータセンターの発展に伴い、電力への要求水準が一段と高まりつつあります。AIDC(AIデータセンター)への蓄電設備併設が今後の産業トレンドになると見られ、これが新型蓄電市場の成長を後押しすると期待されています。
また、今年から政策面では「強制併設」の規制が撤廃され、「容量市場メカニズム」の構築が進められています。これにより価格競争の過熱が緩和され、新エネルギー電力の全面的な市場参入が促進されました。
国家発展改革委員会(NDRC)と国家エネルギー局が発行した文書136号「新エネルギー上網電価市場化改革の深化および高品質発展促進に関する通知」は、国内蓄電業界の収益性転換点とされています。
国内では、NDRCと国家エネルギー局が9月12日に発表した《新型蓄電の大規模建設特別行動計画》によれば、2027年までに中国の新型蓄電設備容量を1億8000万kW以上に拡大し、約**2500億元(約5兆円)**の新規投資を促進する見込みです。
海外市場でも蓄電需要は上昇段階にあります。今後数年間、世界の蓄電市場の年平均成長率(CAGR)は控えめに見ても20%、楽観的には**30%**に達する見込みです。中国は技術力とコスト面で優位性を持ち、海外からの受注が急増しており、今後もさらなる市場拡大が期待されています。
二、全固体電池
全固体電池はこれまで「航続距離」と「安全性」を両立できないという課題を抱えていました。
しかし、最近この難題に対して清華大学の研究チームが大きな進展を遂げました!

9月27日、清華大学はこの研究成果を公式発表し、さらにこの成果が**世界的な科学誌『Nature(ネイチャー)』**に掲載されたことを明らかにしました。
清華大学化学工学系の張強教授チームは、新しい「含フッ素ポリエーテル電解質」を開発することに成功しました。
この電解質は固体界面の物理的接触とイオン伝導性を向上させるだけでなく、高電圧正極とリチウム金属負極の両方に単一電解質で対応可能という特性を実現しています。
簡単に言えば、この研究のブレークスルーは「電池をより安全にしながら、同時にエネルギー密度を高める」点にあります。
エネルギー密度は従来の150〜320Wh/kgから、なんと604Wh/kgへと大幅に向上しました。
さらに、満充電状態でも針刺し試験や120℃高温試験をクリアしています。
全固体電池は、液体電解液の代わりに固体電解質を使用するため、正極と負極の活性物質が直接接触せず、セパレーターの役割も果たします。
また、安全性とエネルギー密度に優れるだけでなく、高出力、低温性能の良さ、長寿命などの利点も備えています。
そのため、低空飛行機(ドローン)、ヒューマノイドロボット、ウェアラブルデバイスなど、軽量かつ高安全性が求められる分野で特に有望です。
近年、CATL(寧徳時代)やBYDなどの大手リチウム電池メーカーは、全固体電池の開発を積極的に進めており、中国政府も数十億元規模の研究投資を行っています。
嬉しいことに、現在全固体電池は実験室段階から中間試作・実証車搭載段階へと移行しつつあります。
調査機関の予測では、全固体電池業界は2025年後半〜2026年前半に中試ラインの実装が進み、
2027年には小規模量産・車載化が始まり、業界出荷量は1GWhを突破、
2030年には大規模量産が実現し、100GWhを超える見込みです(出典:東呉証券)。
これらの科学的ブレークスルーと量産化スケジュールの前進により、全固体電池は商業化フェーズへ加速的に突入し、実りの時期を迎えると期待されています。
情報源 :华夏基金ETF君


